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2. 協力



 雰囲気がかわった。

 なんてもんじゃない!
 い、今までのかわいらしい笑顔は!?
 さっきの子犬のような愛らしい目は!?

 怖い。

 なんなんだ、この邪悪なオーラは!

 朔は宮下の豹変ぶりに、驚き、それ以上に怖くて固まる。
 目の前にはにっこりと微笑む宮下君。
 だがさっきまでの宮下とは明らかに違う。
 目が怖い。
 雰囲気が怖い。
 様子の違う彼に朔はただ恐怖を感じる。
 怖くて、逃げ出したいのに彼女の足は動かなかった。
 恐ろしい、それ以上にとてもキレイなその笑顔。
 あまりにもきれいすぎて、目を逸らすことができなかった。
「朔」
 優しい声。
 朝からかわらぬ声と今の笑顔はミスマッチだ。
 宮下の掌が朔の頬に触れる。
「ねえ、朔。僕のこと嫌い?」
 動けない。身体が金縛りにでもあったかのようにピキンと固まったままだ。
「そう。でも今更嫌いかどうかなんて関係ないか」
 何も言わない朔の態度を肯定ととったようだ。宮下は続ける。
「朔、悪いけど君には無理やりにでも協力してもらうからね」

 何を、だろう。
 頭までも動かなくなった朔にはそれだけしか浮かばなかった。



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