雰囲気がかわった。
なんてもんじゃない!
い、今までのかわいらしい笑顔は!?
さっきの子犬のような愛らしい目は!?
怖い。
なんなんだ、この邪悪なオーラは!
朔は宮下の豹変ぶりに、驚き、それ以上に怖くて固まる。
目の前にはにっこりと微笑む宮下君。
だがさっきまでの宮下とは明らかに違う。
目が怖い。
雰囲気が怖い。
様子の違う彼に朔はただ恐怖を感じる。
怖くて、逃げ出したいのに彼女の足は動かなかった。
恐ろしい、それ以上にとてもキレイなその笑顔。
あまりにもきれいすぎて、目を逸らすことができなかった。
「朔」
優しい声。
朝からかわらぬ声と今の笑顔はミスマッチだ。
宮下の掌が朔の頬に触れる。
「ねえ、朔。僕のこと嫌い?」
動けない。身体が金縛りにでもあったかのようにピキンと固まったままだ。
「そう。でも今更嫌いかどうかなんて関係ないか」
何も言わない朔の態度を肯定ととったようだ。宮下は続ける。
「朔、悪いけど君には無理やりにでも協力してもらうからね」
何を、だろう。
頭までも動かなくなった朔にはそれだけしか浮かばなかった。
Copyright(c) 2004 soki all rights reserved.
SEO
[PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送