「花山といい、あんたといい、ほんっとにムカつくわね」
花山?
――恵利? 恵利がどうして出てくるの。
「花山もね、今あんたと同じ目に遭ってるよ」
「あいつって、すぐ泣くよねー」
恵利がわたしと同じ目に?
「あんたのせいで友達も大変な目に遭ってるのよ」
「だから、さっさと二度と宮下君に近づかないって言いなさい」
この人たちは、何を言ってんの?
「恵利に……恵利に何かしたの?」
朔の声は震えていた。
怯えじゃない。
怒りでだ。
「別に花山のことなんてどうでもいいでしょ。それより……」
朔は女子生徒が言い終える前に掴みかかっていた。
「ちょっと、何すんのよ!」
「何してんだよ!」
他の女子生徒が止める手を力いっぱい、振り払った。
ただ一人、朔の一番近くでふんぞり返っている奴に狙いを定めた。
無理やりのその女子生徒を倒す。
「わたしの顔を、二度と人の前に出れない顔にしてくれるんだっけ? わたしもしてあげるよ。ここにいる人全員は無理だけど、あんただけならわたしにもできる」
そう言って、朔は拳を振り上げる。
「ちょ、ちょっと止めてよ……!」
「恵利は、どこに呼び出したの」
「た、体育館裏……」
朔は勢いよく立ち上がる。
女子生徒たちが肩やら髪やら掴むけど、気にしてられない。
髪なんて抜けてもいい。
手を無茶苦茶に振り払い、朔は走り出した。
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